マンションを売却したい!売却の流れや費用を徹底解説!

不動産売却

住み替えや勤め先の転勤など、マンションを売却する機会があります。しかし、はじめて売却する際は「マンションの売却方法がわからない」と思う方が多いかと思います。そこで今回は、マンション売却の基礎知識や売却する人の理由について解説します。

マンション売却の基礎知識

マンション売却の流れ

マンションを売却するには、できるだけ高く売りたいところです。まずは、大まかな流れを押さえておくことが大切です。

マンションを売却するには、大きく「売り出し前」「売り出し中」「売り出し後」3つのステップに分けられます。

各段階の流れは、以下の通りです。

売り出し前:情報収集、売却準備、価格査定、媒介契約

売り出し中:販売活動、売買契約

売り立ち後:決済・引き渡し、確定申告

マンションの売却期間は、一般的に4〜6ヶ月程度かかります。売却を成功させるには、どの不動産会社に依頼するのかがポイントになります。

続いて、各ステップの詳細について解説します。

情報収集

まずは、ある程度相場を調べておくことが大切です。中古マンションの価格は、首都圏を中心に上昇傾向にあります。

東京カンテイ「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70㎡価格月別推移」によると、2021年9月の首都圏中古マンション価格は、前月比+1.5%の4,305万円と5ヵ月連続の上昇となっています。

(参考:東京カンテイ「三大都市圏・主要都市別/中古マンション70㎡価格月別推移」)

ページが見つかりません | 東京カンテイ

不動産情報サイトでは、全国のマンション価格相場を調べることが可能です。中には、地域や沿線・駅などから検索できるサイトもあります。

売却準備

資金計画や書類の準備、物件の状態確認などを行います。売却する上で優先したい事項を整理し、転居までのスケジュールを計画しておきましょう。

また、物件の汚れや破損、設備の不具合なども確認します。

さらに、売却するマンションに住宅ローンの残債がいくらあるのかを確認しておきましょう。住宅ローンを完済して、抵当権抹消登記をしなければ売却することができないためです。

仮にマンション売却額が住宅ローンの残債を下回っていれば、自身で資金を準備する必要がありますので、あらかじめ残債を把握しておくことが大切です。

価格査定

売却するマンションがいくらで売れるのかを不動産会社に査定を依頼します。査定依頼の主な方法は、AI査定による「査定シミュレーション」、現地調査を行わず、近隣の類似物件の取引事例や市場状況などのデータを用いて査定額を算出する「机上査定」、現地調査を行い、査定額を算出する「訪問査定」などがあります。

査定は、複数の不動産会社に依頼しましょう。なぜなら、同じ物件であっても不動産会社によって査定額に差が出るためです。

インターネットでは、不動産一括査定サイトを利用することができます。複数の不動産会社に効率よく依頼することができます。

媒介契約

マンションを売却するには、不動産会社に依頼することが一般的です。査定を依頼した中から仲介をお願いしたい業者を選びます。

媒介契約は「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。

それぞれの違いは、以下の通りです。

一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約
他業者への依頼複数の業者に依頼可能一社のみ一社のみ
自己発見取引できるできる ×
契約有効期間制限なし3ヶ月以内3ヶ月以内
報告義務なし2週間に1回以上1週間に1回以上
レインズへの登録義務なしありあり

販売活動

媒介契約を結ぶと、売り出し価格の決定、内見準備と案内、購入者との条件交渉などを行います。

売り出し価格は、不動産会社と相談しながら、査定結果を踏まえ価格を決定します。

内見では、売却するマンションの魅力を最大限に伝えられるようにあらかじめ掃除や修繕を済ませておきましょう。

売買契約

売買契約締結の際は、宅地建物取引士が重要事項説明を行います。不動産の権利関係、法令上の制限、インフラの整備状況、造成宅地防災区域内・土砂災害警戒区域内であるかどうかなどを説明します。マンションでは、加えて共有部分や専有部分、​​修繕積立金・管理費等の事項が追加されます。その後、手付金の受領、仲介手数料の支払い、売買契約書の取り交わし、署名・捺印をして​​完了します。

決済・引き渡し

決済は、​​売主・買主、不動産会社の担当者、金融機関の担当者、司法書士が集まって行うのが一般的です。

住宅ローンが残っている場合は、一括返済を行います。完済後、司法書士は、抵当権抹消登記や所有権移転登記などの手続きを行います。

確定申告

マンションを売却した際、利益が出ると譲渡所得税が発生するので、翌年の2月16日~3月15日までに確定申告を行わなければなりません。

売却の必要書類

マンションを売却する際の必要書類は以下の通りです。

取得場所費用
実印本人所有
印鑑証明書(3カ月以内のもの)役所またはオンライン1通300円~(市区町村により異なる)
住民票(3カ月以内のもの)役所またはオンライン1通300円~(市区町村により異なる)
身分証明書本人所有
登記済権利証または登記識別情報本人所有
登記簿謄本もしくは登記事項証明書法務局またはオンライン・窓口で書面請求:1通に600円・オンライン請求 ・送付:1通500円 ・オンライン請求 ・窓口交付:1通480円
固定資産税納税通知書・固定資産税評価証明書・固定資産税納税通知書は市町村(東京23区は東京都)から通知・固定資産税評価証明書は役所で取得固定資産税評価証明書の発行手数料は、証明書1枚につき300円程度(市区町村により異なる)
マンション管理規約の書類本人所有
マンション管理費・修繕積立費等の書類本人所有
住宅ローン残高証明書金融機関

売却にかかる費用は?

マンション売却にかかる主な費用は、以下の通りです。

諸経費
仲介手数料(売却価格×3%+6万円)+消費税*売却価格400万円超の場合
印紙代1,000万円超5,000万円以下の場合は1万円(平成26年4月1日から令和4年3月31日まで軽減措置あり)
譲渡所得税5年以下・短期譲渡所得30%5年超・長期譲渡所得15%
登録免許税課税標準金額 × 税率(司法書士に依頼する場合、報酬1〜3万円程度)
その他(測量、引っ越し代など)

マンションを売却する人の売却理由

1. 家族構成の変化

子どもが増えて広さが必要になった場合や子どもが独立して部屋が余ったなど、これらの理由で住み替えを検討するケースです。

2. 相続

親から相続して住む予定がない場合に売却を検討します。遠方に住んでいるとマンションの維持・管理も難しくなります。

3. 転勤・転職

仕事の都合上、急な転勤があったり、転職した場合にやむを得ず売却するケースです。

4. 離婚

離婚を機に売却する場合です。お互いが住み続けたくないなどの理由から、売却して現金化します。

5. 住宅ローンの滞納

ローンの返済が滞り、任意売却を行うケースです。任意売却は、金融機関との合意により、ローンが残ったまま物件を売却することです。通常は、任意売却業者に依頼します。

おわりに

今回は、マンション売却の基礎知識や売却する人の理由について解説しました。マンションの売却は、ある程度の期間が必要になります。場合によっては買い手が付かないケースもあります。

マンションの売却を成功させるには、どの不動産会社に依頼するのかがポイントになります。実績が豊富でマンションの売却を得意とする不動産会社を選ぶことが大切です。

複数の不動産会社を比較しながら検討しましょう。